そもそも、なぜ会社は「広報」をするのでしょうか。
広報とは、お客さんや社員、取引先といった周りの人たちに、自分たちのことを正しく知ってもらい、信頼してもらうための活動です。
知ってもらって、信頼してもらえれば、商品も売れやすくなるし、一緒に働きたいと思ってくれる人も増える。
事業を進めていくうえでの土台をつくる活動、と言ってもいいと思います。
だから会社は、この広報活動に本気でお金と人をかけます。
先日参加した広報マーケサミットの結論は、「自前主義からの脱却」でした。
ラスタイルデザインのひとみです。
様々な広報マーケティング事例を聞きました。
結局、戦略立案やメディア開拓はプロに任せ、担当者は社内情報の吸い上げに注力する体制、という提案だったと思います。
つまり、これからどう進めるか考えることも、発信する場所を広げることも、プロに任せて、自分たちは社内の情報を集めることに専念する。
いわば「外注広報」への切り替えです。
正直、うなずける部分はたくさんありました。
得意な人に任せた方が、うまくいくことも多いのは、私にもわかります。
でも同時に、発表している人と、見ている景色がずれている自分もいました。
これ、会社を経営していて、宣伝にかけるお金を確保できる人への話だ。
そう、そもそもこの広報マーケサミットの目的は企業さんのもの。
私はそれって個人事業主が活かせるところ、あるのかな?という視点で参加しました。
ズレて当然。
自分のビジネスに、そのまま乗せられない話でした。
でも、「知ってもらう、信頼してもらう」という広報の目的そのものは、個人でビジネスをする私にとっても、同じくらい大事なことです。
だから私は、広報の目的は手放さずに、その手段だけを「外注」ではなく「自分の発信」に置き換えることにしました。
お金の話じゃなく、順番の話
なぜモヤッとしたのか、あとで考えてみました。
理由は、お金をかけられるかどうかじゃありません。
私は、利益を優先するよりも先に、目の前の人との信頼関係をつくることを大事にしています。
何もかも人に任せて、効率よく進める前に、まず自分の手で、自分の言葉で、目の前の人と関係をつくる。
その順番を、飛ばしたくないんです。
じゃあ、外注広報に頼らず、その順番を大事にしながらビジネスをしている人は、どうしていけばいいのか。
一人で抱えず、AIを相棒にする
答えは二つあって、どちらか一つじゃなく両方だと思っています。
一つは、AIを相棒にして、自分の手でこれからのやり方を考えること。
私はここ数ヶ月、商品を考えたり、お客さんに伝わる言葉を探したり、発信のネタを見つけたりといった、本来ならプロに相談するようなことを、AIと話しながら自分で組み立てるツールを、一つ2〜3日ほどでいくつも作ってきました。
例えば商品のことで悩んでいたとき、AIに次々と質問を投げかけてもらいながら考えを深めていったら、ずっと頭の中でモヤモヤしていたことが、初めて言葉になった瞬間がありました。
答えを教えてもらったんじゃなくて、自分の中にあった答えを、質問の力で引っ張り出してもらった感覚です。
それに、プロに頼んで代わりにやってもらうことと、自分でできるようになることは、同じ「解決」でも中身が違います。
丸ごと任せれば、その場の答えは手に入る。
でも自分の手でつくれるようになれば、その力はずっと自分の中に残って、次に同じ壁にぶつかったときも、また自分で越えられる。
この、自分の力を育てる時間の方が、私にとっては価値が高いし、何より自信になります。
それに、個人でやる場合は、全体の流れを自分でつかんでおかないと、いざ人に任せるときにも、相手の言いなりになってしまいます。
何がどれくらいの手間で、どこにこだわるべきかを自分の手で知っているからこそ、この先もし誰かに任せる場面があっても、対等にやりとりできる。
今の「自分でやる」時間は、その土台にもなっています。
広告にお金をかけて、一気に広めるという選択肢も頭の片隅には置いています。
実際、無料でお渡ししているプレゼントが、みなさんの求めているものと合っているかを確かめるために、半年に一度くらいは広告を使うこともありますし、それ自体を悪いとは思いません。
でも、自分の中に「読んでくれる人への理解」を育てずにいると、結局ずっと外部に頼り続けることになります。
だから、どんな発信なら届くのかを自分で考えては試し、うまくいかなかったものも経験にしながら、「読んでくれる人が喜んでくれるものは何か」を突き詰めています。
発信を読んでもらって「もっと知りたい」と思ってもらい、公式LINEやメルマガにつながる——その一つひとつの流れを整えることが、私にとっての「仕組み」です。
だから発信の中身が一番大事で、その先の入口がちゃんと用意されていなければ、どれだけ発信を積み重ねても意味がなくなってしまいます。
広告で「知ってもらう」のか、発信の中身の良さで「つながってもらう」のか。
私は、広告で知ってもらいたいわけではありません。
それで売上が一気に伸びることはないかもしれない。
でも、発信でつながってもらう方が、気持ちの負担が圧倒的に少ない。
届けたい相手にブロックされる怖さも、広告ほどありません。
どうせ一生懸命やるなら、発信をがんばろうと思っているのは、そういう理由です。
もう一つは、それでも一人では抱えないこと。
丸ごと任せられるプロがいなくても、隣で一緒に手探りしている人はいます。
プロに“上から”任せるのではなく、同じ景色を見ている人と“横で”つながる。
AIと向き合う時間も一人で抱え込まずに済むのは、その横のつながりがあるからです。
そして最終的に一番助けになるのも、いつもこの「人とのつながり」でした。
前に進めなくなる、わけじゃない
人に任せられないから遅れをとる、わけじゃありません。
外注広報に乗れない、というより、乗らない選択をしている——そう言った方が正しいのかもしれません。
自分のビジネスを一番よくわかっているのは、他の誰でもなく自分自身。
丸ごと任せて楽になるより、自分の手でできることを増やしていくほうが、関係性を大事にする順番も崩れず、何より自分の自信になります。
この「自分で判断できるようになる」ところまで、隣で一緒に伴走する新サービスも、今準備しています。
外注広報ではなく、自分の発信を選ぶ。
一人でやらず、AIを相棒に、仲間とつながりながら、これからも自分の力を育てていきます。
もしあなたも同じように「今の流れにこのまま自分のビジネスを乗せられない」と感じたことがあるなら、それは遅れているんじゃなく、大事にしたい順番があるだけなのかもしれません。



コメント